「スペーシングって何?」「チームで意識しろって言われるけど、具体的にどうすればいいの?」
バスケットボールを始めたばかりの方や、チーム練習でスペーシングを指摘されて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、バスケのスペーシングの意味から、良いスペーシングの具体的な目安、実践で使える動き方のコツ、効果的な練習方法まで、指導経験をもとにわかりやすく解説します。
スペーシングとは?バスケにおける意味を解説
スペーシングとは、オフェンス時における選手同士の距離感や立ち位置のことです。
バスケットボールは5人対5人で行うスポーツですが、試合中にボールを持っている時間はごくわずか。実はプレー時間の大半はボールを持っていない「オフボール」の時間です。
このオフボールの時間にどこに立つか、味方とどれくらいの距離を保つかが「スペーシング」であり、オフェンスの成否を大きく左右します。
スペーシングが悪いとどうなる?
ミニバスや初心者のチームでよく見られるのが、ボールに全員が集まってしまう「団子状態」です。
スペーシングが悪いと、以下のような問題が起こります。
- ドライブするスペースがなくなる
- パスコースがディフェンスに塞がれる
- 味方同士が邪魔になってしまう
- ディフェンス1人で複数のオフェンスを守られてしまう
逆に良いスペーシングを保てば、ドライブのコースが生まれ、パスが通りやすくなり、チーム全体の得点効率が大幅に向上します。
なぜスペーシングが重要なのか?数字で理解する
スペーシングの重要性を、数字で具体的に見てみましょう。
1人のディフェンスが一瞬で動ける距離は、左右それぞれ約2.5m、前後それぞれ約1m程度と言われています。つまり1人が守れる範囲は約10平方メートルです。
ディフェンス5人で守れる範囲は合計約50平方メートル。一方、3ポイントライン内側のエリアは約70平方メートルあります。
つまり、オフェンスが攻められる「隙間」は約20平方メートルしかないということ。この狭いスペースを有効に使うためにスペーシングが不可欠なのです。
良いスペーシングがもたらす効果
| 効果 | 具体的な変化 |
|---|---|
| ドライブコースの確保 | ディフェンス間の距離が広がり、抜きやすくなる |
| パスの通りやすさ | パスコースが複数生まれ、ボール運びがスムーズに |
| シュートチャンスの増加 | フリーになる機会が増え、確率の高いシュートが打てる |
| ヘルプの遅れ | ディフェンスのカバーが間に合わなくなる |
良いスペーシングの目安は「5〜6メートル」
では、具体的にどれくらいの距離を保てばよいのでしょうか。
オフェンス同士の距離は5〜6メートル程度が良いスペーシングの目安です。この距離を保つことで、ディフェンスが守り切れない隙間が生まれます。
5〜6メートルという距離は、3ポイントラインをうまく活用すると自然に保ちやすくなります。全員、または数名が3ポイントラインの外側に立つことを意識しましょう。
コートを6分割して考える
スペーシングを理解するための有効な方法として、ハーフコートを6つのエリアに分割して考える方法があります。
各エリアには原則として1人だけが入るようにします。こうすることで、自然と適切な距離感が保たれ、次の動きも明確になります。
誰かがあるエリアを離れたら、別の選手がそのエリアを埋める。この繰り返しでオフェンスにリズムが生まれます。
スペーシングの基本フォーメーション
チームで使われる代表的なスペーシングの形を紹介します。
5アウト(ファイブアウト)
5人全員が3ポイントライン付近に広がるフォーメーションです。
特徴
- ペイントエリア(ゴール付近)が広く空く
- ドライブのスペースを最大限確保できる
- 全員がシュート力を持つチームに有効
現代バスケで主流になりつつある形で、NBAでも多くのチームが採用しています。
4アウト1イン
4人が外側に広がり、1人(主にセンター)がペイントエリア付近でプレーするフォーメーションです。
特徴
- インサイドとアウトサイドのバランスが取れる
- ポストプレーとドライブの両方を狙える
- 身長のあるセンターがいるチームに適している
育成年代からプロまで、幅広く使われるオーソドックスな形です。
「合わせ」の3原則を理解しよう
スペーシングを維持しながら動くための基本ルールが「合わせの3原則」です。
原則1:ボールから離れる
ボールマンに近づくと、ディフェンス同士の距離も縮まってしまいます。ボールから離れる方向に動くことで、スペースを広げましょう。
「パスをもらいたい」という気持ちが強すぎて、ボールマンに近寄ってしまうケースが多いです。近づくとかえってパスが出しにくくなることを覚えておきましょう。
原則2:他のオフボールマンから離れる
ボールから離れることに集中するあまり、他の味方に近づいてしまっては意味がありません。味方同士の距離も5〜6メートルを保つことを意識しましょう。
原則3:パスアングルを確保する
ボールマンから見て、ヘルプディフェンスの後ろに隠れてしまうとパスが出せません。お互いの顔が見える位置に立ち、パスコースを確保することが大切です。
この3原則を守って動くことで、パスを受けてシュートを打つチャンスが生まれます。
ドライブに対する「合わせ」の動き方
チームメイトがドライブを仕掛けたとき、周りの選手はどう動けばよいのでしょうか。
サークルムーブ(回転の動き)
味方がドライブしたら、円を描くように回転して移動します。これを「サークルムーブ」と呼びます。
例えば、右ウィングの選手がドライブしたら、コーナーの選手はウィングへ、トップの選手は逆サイドへと、時計回りまたは反時計回りに全員が動きます。
この動きによって以下の効果が得られます。
- ドライブコースを塞がない
- キックアウトパスを受ける準備ができる
- ディフェンスを混乱させられる
ドリフト(離れる動き)
ドライブする選手の近くにいる場合は、逆方向に離れる「ドリフト」が有効です。
自分のディフェンスがヘルプに行けば、フリーでパスを受けられます。ヘルプに行かなければ、ドライブが成功しやすくなります。どちらに転んでもオフェンス有利な状況を作れます。
スペーシングを身につける練習方法
スペーシングは頭で理解しても、実戦でとっさに動けるようになるには練習が必要です。効果的な練習方法を紹介します。
4対4のハーフコート練習
通常の5対5から1人減らして4対4で練習する方法です。
練習のポイント
- 1人分のスペースが常に空いているため、スペースの意識が高まる
- 4人でボールを回す必要があり、全員の関与が求められる
- サボれないため、オフボールの動きが自然と身につく
10〜15分程度、タイマーをセットして行いましょう。
パッシングゲーム
ドリブルを禁止して、パスだけでオフェンスする練習です。
パスをつなぐためには必然的に良いスペーシングが求められます。ボールを長く持てないため、オフボールでの動き出しも活発になります。
動画を見て学ぶ
NBAやBリーグの試合を、ボールではなくオフボールの選手に注目して見てみましょう。
トップレベルの選手がどのタイミングでどこに動いているか、スペーシングをどう維持しているかを観察することで、イメージが具体的になります。
ボールマンを直接見るのではなく、ボールマンとゴールを視野に入れながら全体をぼんやり見る練習をしましょう。周辺視野を使う習慣がつくと、実戦でのスペーシング判断が格段に良くなります。
ポジション別のスペーシング意識
ガード(ポイントガード・シューティングガード)
主にトップやウィングでプレーし、ボールを多く触るポジションです。味方全体の位置を把握しながら、スペースを活かしたドライブやキックアウトパスを狙いましょう。
フォワード(スモールフォワード・パワーフォワード)
ウィングやコーナーでプレーし、3ポイントシュートとドライブの両方が求められます。コーナーは相手ディフェンスの意識外になりやすく、フリーを作りやすいポジションです。
センター
インサイドを主戦場としますが、現代バスケでは3ポイントライン付近まで広がることも増えています。ペイントエリアに長居しすぎると味方のドライブコースを塞いでしまうため、状況に応じてポジションを変える意識を持ちましょう。
まとめ
バスケのスペーシングについて、基本から練習方法まで解説しました。
- スペーシングとは:オフェンス時の選手同士の距離感・立ち位置のこと
- 良いスペーシングの目安:5〜6メートルの距離を保つ
- 合わせの3原則:ボールから離れる・味方から離れる・パスアングルを確保する
- 練習方法:4対4練習やパッシングゲームが効果的
スペーシングは一朝一夕で身につくものではありませんが、意識して練習を重ねることで必ず上達します。良いスペーシングができれば、ドリブルやシュートといった個人技以上に、チームの得点力向上に貢献できます。
ぜひStatsTooの試合スタッツ記録ツールを使って、自分やチームの得点パターンを分析し、スペーシングの効果を実感してみてください!